数字で見る

日本の海の見える街ランキングTop50 ～波音と潮風が誘う理想の住まい（第3回：21位～30位）

はじめに

前回の11位から20位に続き、今回は日本の海の見える街ランキングの21位から30位までをご紹介します。これらの街々もまた、それぞれに独自の魅力を持ち、海辺の暮らしの豊かさを体現しています。歴史、文化、自然、そして人々の暮らしぶりなど、多角的な視点から各街の特徴をお伝えしていきます。

ランキング21位～30位

松島町（宮城県）

松島町は、宮城県のほぼ中央に位置し、日本三景の一つとして知られる風光明媚な町です。松島湾に浮かぶ約260の島々が織りなす景観は、古くから多くの文人墨客に愛され、芭蕉の句にも詠まれています。遊覧船に乗れば、島々を間近に見ながら湾内を周遊することができ、四季折々の美しい景色を楽しめます。五大堂や瑞巌寺など、歴史ある寺社仏閣も多く、文化的な魅力も豊かです。特に瑞巌寺は伊達政宗ゆかりの寺として有名で、国宝に指定されています。松島の名物として知られる牡蠣やあなご料理を楽しめる飲食店も多く、新鮮な海の幸を味わえます。毎年8月には「松島流灯会海の盆」が開催され、海上に灯篭が流される幻想的な光景を見ることができます。仙台市からのアクセスも良好で、日帰り観光地としても人気があります。自然と歴史が調和した、風情ある海辺の町です。

福岡市（福岡県）

福岡市は、九州の北部に位置する、自然と都市機能が調和した大都市です。博多湾に面し、古くから大陸との交易の拠点として栄えてきました。「福岡タワー」からは、市街地と海の絶景を一望できます。海辺には広大な「シーサイドももち海浜公園」が整備され、ビーチバレーなどのマリンスポーツを楽しむことができます。「博多」の名で知られる博多駅周辺は、九州の交通の要衝として賑わい、ショッピングや飲食を楽しめます。博多ラーメンや明太子など、独自の食文化も魅力です。歴史的には、櫛田神社や承天寺など由緒ある寺社も多く、毎年7月には博多祇園山笠が開催されます。また、アジアとの近接性から国際色豊かな雰囲気も漂い、中洲の屋台街では多国籍な料理を楽しめます。福岡空港や博多港があり、国内外へのアクセスも良好です。都市の利便性と豊かな自然、そして独自の文化が融合した、魅力的な海辺の大都市です。

由比ガ浜（鎌倉市、神奈川県）

由比ガ浜は、神奈川県鎌倉市にある海水浴場で、「鎌倉の海」を代表する美しいビーチです。約1キロメートルにわたって続く白砂の浜は、「日本の海水浴場50選」にも選ばれています。夏には多くの海水浴客で賑わい、サーフィンのメッカとしても知られています。海岸沿いには、カフェやレストラン、土産物店が立ち並び、海を眺めながらくつろげるスポットが多数あります。由比ガ浜通りは、おしゃれな店舗が並ぶ人気のストリートで、散策を楽しめます。春には、ビーチでのヨガイベントなども開催され、健康的なライフスタイルを楽しむ人々が集まります。海岸からは富士山や江の島を望むこともでき、特に夕日の景色が美しいことで知られています。鎌倉駅から徒歩圏内にあり、古都鎌倉の歴史的な観光スポットと合わせて楽しめるのも魅力です。歴史と現代が融合した、魅力的な海辺のエリアです。

浦安市（千葉県）

浦安市は、千葉県の北西部、東京湾に面した海辺の街です。かつては漁村でしたが、大規模な埋め立てにより、現在は近代的な街並みが広がっています。最大の特徴は、東京ディズニーリゾートがあることで、年間を通じて多くの観光客で賑わいます。ディズニーシーは海をテーマにしたテーマパークで、海辺の街ならではの魅力を発信しています。浦安市運動公園には人工ビーチがあり、海水浴やビーチスポーツを楽しめます。また、三番瀬は貴重な干潟が残る場所で、潮干狩りや野鳥観察ができます。新浦安駅周辺は、近代的な高層マンションや商業施設が立ち並び、都市的な生活を送れる一方、今川地区には昔ながらの漁師町の風情が残っています。東京駅から電車で15分程度とアクセスが良く、通勤にも便利です。「郷土博物館」では、浦安の歴史や文化を学ぶことができます。テーマパークと都市機能、そして海辺の自然が共存する、ユニークな魅力を持つ街です。

淡路市（兵庫県）

淡路市は、兵庫県の淡路島北部に位置する海辺の街です。古事記や日本書紀に登場する国生みの島として知られ、深い歴史と文化を持っています。明石海峡大橋の淡路側の玄関口であり、橋の壮大な姿を間近に見ることができます。海沿いには美しい海岸線が続き、特に慶野松原海岸は白い砂浜と松林のコントラストが美しく、海水浴やサーフィンを楽しめます。淡路島公園からは大阪湾を一望でき、春には約1,500本の桜が咲き誇ります。淡路島の名物である淡路島玉ねぎや淡路牛、新鮮な海の幸を使った料理を楽しめる飲食店も多数あります。また、「淡路夢舞台」には、安藤忠雄設計の建築群や美しい庭園があり、芸術と自然を楽しめます。「淡路ファームパークイングランドの丘」では、花畑や動物とのふれあいを楽しめ、家族連れに人気です。温暖な気候と豊かな自然、そして歴史が融合した、魅力的な海辺の街です。

鞆の浦（福山市、広島県）

鞆の浦は、広島県福山市の南部に位置する、歴史ある港町です。古くから瀬戸内海の要衝として栄え、江戸時代の町並みが良好に保存されています。映画「崖の上のポニョ」の舞台のモデルとなったことでも知られ、風光明媚な景観が魅力です。常夜灯や雁木、波止場などの港町の風情が残り、石畳の坂道を歩くと、タイムスリップしたような感覚を味わえます。沖合に浮かぶ仙酔島への渡船や、遊覧船での瀬戸内海クルーズも人気です。鞆の浦のシンボルである「常夜燈」は、日本最古の石造灯台として知られています。また、「対潮楼」からは、瀬戸内海に浮かぶ島々の美しい景色を一望できます。新鮮な海の幸を使った料理や、名物の「鯛匠の鯛」なども楽しめます。毎年10月には「鞆の浦常夜灯祭り」が開催され、幻想的な光景を楽しめます。歴史と文化が色濃く残る、趣のある海辺の街です。

焼津市（静岡県）

焼津市は、静岡県の中部、駿河湾に面した海辺の街です。日本有数の遠洋漁業の基地として知られ、特にマグロの水揚げ量は日本一を誇ります。焼津漁港では、毎朝新鮮な魚が水揚げされ、活気ある魚市場の様子を見学することができます。「焼津さかなセンター」では、新鮮な魚介類や水産加工品を購入したり、海鮮料理を楽しんだりできます。焼津の名物である「焼津黒潮おでん」も人気です。海岸線に沿って「ディスカバリーパーク焼津」があり、天文科学館や芝生広場などがあり、家族で楽しめます。また、花沢の里では、梅やあじさいの名所として知られ、季節の花々を楽しめます。サッカーのまちとしても有名で、エコパスタジアムではプロサッカーの試合も開催されます。温暖な気候と豊かな海の幸、そしてスポーツや科学を楽しめる施設が調和した、魅力的な海辺の街です。

白浜町（和歌山県）

白浜町は、和歌山県の南部、紀伊半島の西海岸に位置する、温泉と海のリゾート地として知られる街です。「白良浜」は、白い砂浜と青い海のコントラストが美しく、海水浴やマリンスポーツを楽しめます。温泉地としても有名で、「崎の湯」や「白浜温泉」など、海を眺めながら入浴できる温泉が多数あります。「円月島」は、中央に穴が開いた奇岩で、夕日がその穴を通り抜ける様子は絶景です。「三段壁」は、高さ50メートルの断崖絶壁で、迫力ある海の景色を楽しめます。「アドベンチャーワールド」は、動物園、水族館、遊園地が一体となった施設で、特にジャイアントパンダの飼育で有名です。新鮮な海の幸を使った料理も魅力で、クエ料理などの高級魚も味わえます。南紀白浜空港があり、大阪や東京からのアクセスも良好です。温泉、海、自然、そしてレジャー施設が揃った、総合的な魅力を持つ海辺のリゾート地です。

宮津市（京都府）

宮津市は、京都府の北部、日本海に面した海辺の街です。最大の特徴は、日本三景の一つである「天橋立」があることです。松並木が続く砂州の美しさは、古くから多くの人々を魅了してきました。傘松公園からのケーブルカーで上がった「飛龍観」からは、天橋立を上空から眺める「股のぞき」の姿勢で見ると、天に昇る龍のように見えると言われています。「天橋立松林」は、約8,000本の松が生い茂り、美しい景観を作り出しています。また、「智恩寺」は、日本三文殊の一つとして知られる古刹です。海の幸も豊富で、「丹後とり貝」や「丹後ぐじ（アカアマダイ）」など、地元の特産品を使った料理を楽しめます。「宮津湾めぐり遊覧船」に乗れば、海からの景色を楽しむこともできます。毎年7月には「宮津燈籠流し花火大会」が開催され、幻想的な光景を楽しめます。自然と歴史、そして食文化が融合した、魅力的な海辺の街です。

七里ヶ浜（鎌倉市、神奈川県）

七里ヶ浜は、神奈川県鎌倉市にある海岸で、湘南エリアを代表する美しいビーチの一つです。約1キロメートルにわたって続く砂浜は、「日本の渚百選」にも選ばれています。海岸からは江の島と富士山を望むことができ、特に夕暮れ時の景色は絶景として知られています。サーフィンのメッカとしても有名で、年間を通じて多くのサーファーが訪れます。海岸沿いには、おしゃれなカフェやレストランが立ち並び、海を眺めながらくつろげるスポットが多数あります。七里ヶ浜駅周辺は、閑静な住宅地となっており、海辺の暮らしを楽しむ人々が集まっています。夏には海水浴場としてにぎわい、ビーチバレーなどのイベントも開催されます。また、江ノ島電鉄（通称：江ノ電）が海岸沿いを走る風景は、多くの観光客を魅了しています。鎌倉の歴史的な観光スポットにも近く、自然と文化を両方楽しめる立地です。東京からのアクセスも良好で、週末にはマリンスポーツや散策を楽しむ人々で賑わいます。自然の美しさと都市の利便性が調和した、魅力的な海辺のエリアです。

まとめ

今回ご紹介した21位から30位までの街々も、それぞれに独自の魅力を持っています。松島町の風光明媚な景観、福岡市の都市機能と自然の調和、由比ガ浜のサーフィン文化、浦安市のテーマパークと都市開発、淡路市の歴史と自然、鞆の浦の古い港町の風情、焼津市の漁業文化、白浜町の温泉リゾート、宮津市の天橋立、そして七里ヶ浜のビーチライフ。

これらの街々は、海辺という共通点を持ちながらも、それぞれに異なる特徴を有しています。歴史的な景観を楽しめる街もあれば、最新の都市機能を備えた街もあります。温泉と海の両方を楽しめる街、新鮮な海の幸が魅力の街、マリンスポーツが盛んな街など、海との関わり方も多様です。

海の見える街に住むということは、こうした多様な魅力を日常的に体験できることを意味します。潮の香りを感じながらの散歩、海を眺めながらの食事、波の音を聞きながらの読書など、海辺ならではの贅沢な時間を過ごすことができます。

また、これらの街の多くは、観光地としての一面も持っています。住民にとっては、観光客との交流を通じて、自分の住む街の魅力を再発見する機会にもなるでしょう。

しかし、海辺の街ならではの課題もあります。台風や高潮などの自然災害のリスク、塩害への対策、観光シーズンの混雑など、考慮すべき点もあります。これらの課題に対して、各街がどのように取り組んでいるかも、住む場所を選ぶ際の重要な視点となるでしょう。

次回は31位から40位までの街をご紹介します。引き続き、日本の海辺の街の多様な魅力をお楽しみください。

この記事をシェア