和倉温泉でアルバイトに挑戦！加賀屋の仲居の壮絶な戦い！その仕事内容とは？

こんにちは！あるバイの中の人です！

「住み込み0円で高時給！でも“女の世界”は覚悟して」——そんな過酷さと成長が隣り合わせの現場、それが温泉旅館の仲居さんのアルバイトです。

今回は、超一流の温泉旅館として有名な和倉温泉 加賀屋でアルバイトをされていた方にインタビューさせていただきました。

和倉温泉 加賀屋は石川県七尾市、JR七尾線 和倉温泉駅から車で7分の位置にあります。
どうせ働くなら有名な所で！と考えておられる方には必見の内容だと思います！

• 年齢：30歳
• 職業:：フリーター
• 性別：女性
• 働いていた時期：2019年
• 働いていた期間：6カ月
• シフト：週5～6、1日通しの時もあれば半休の時も

Ａ．当時の彼氏が2年間の海外転勤となり、
「このままだと置いて行かれたという気持ちになって寂しい気がする。いっそ、それなら私も現在の居住地を離れて働くという選択肢があっても良いのかも。もし結婚したらそう簡単に他県に働きに行くことも出来ないし！」
と思いたち、街中の紙の求人（フリーペーパー）を集めて読んだり、ネットで求人を探していたところ、「他県（リゾート地）での住み込み仲居」の募集を発見。

仲居の経験はゼロでしたが、「未経験者も歓迎！」という広告だったのと、それまでに大結婚式場のスタッフやスポーツクラブの受付などの接客業は数年経験があったので、思い切って派遣会社に連絡しました。

そこから履歴書を提出し、電話で簡単な質疑応答を経て、応募に至ったという経緯です。

Ａ．　・一番の理由は、温泉施設の中でも日本でトップクラスの旅館だったので、せっかく働くならしっかり作法や接客が身につく場所で働きたいという向上心や好奇心があったのと、今までの自分の接客スキルが仲居の厳しい世界でどこまで通じるか試してみたいという気持ちもあったから。

・仲居という職業に元々憧れがあったから。

・自分で着物が着れるようになったらスキルアップにもなるし、楽しそうだと思ったから。

・石川県は今まで旅行でも行った事がなかったので、どんな所か気になったため。

・募集前に周辺地図を検索してみたら、「水族館」や「珠洲の名産」など観光地もあったので、仕事以外のプライべートも充実しそう！と思ったから。

・自家用車の持ち込みOKの案件だったから。休日に観光したかったので。

・住み込みで働くという経験をした事がなかったので、どんなものか興味があったから。

Ａ．・派遣元の担当スタッフ様と電話での質疑応答が何点かありました。（接客経験があるか等の質問でした。ハキハキと答えられれば問題ない範囲です）
・温泉施設では面接と言う面接はなかったです。

Ａ．　・同期と仲良くなれたこと！特に自分の代は同期が7人と多く、年代は様々でしたが大変な事も嬉しい事も一緒に乗り越えた！という絆が生まれたのが一番嬉しかったです。

・住み込み０円だったので、お金がしっかり溜まった事です！
特に仲居業は稼働時間が長いので、ハードワークな分しっかりお給料にも働きが反映されて充実感がありました。

・社員食堂の利用が可能でしかも美味しかったこと！
つねに社食スタッフさんがいて出来立てを提供してくれました。
小鉢類から主食までレパートリーが多かったのも嬉しかったです。
食事が美味しいとお仕事も頑張れます！

・1人1人の書類ボックスが用意されていて、そこにお客様からのアンケートが届くこと！
一時期は社員の仲居さんよりアンケート枚数が多い事もあり、それがモチベーションにつながっていました。

Ａ．・入って間もなく仲居のお姉さんから肩パンされた。
温泉施設の仲居業はオンナの世界なので、とにかくお姉さん達の気が強く、また信念を持ってお仕事をされている方が多かったので、新人でも生半可な仕事は許されず、常に本気で仕事をする！という部分が大変でした。

私が入って間もない頃、シフト表の前でウロウロしていたら、仲居のお姉さんに肩パンされ、「あ、ごめ～ん見えなかったぁ」と言われました。（みんな本気で働いてるんだからあなたもチャキチャキ動いてね、という意味だったんだと捉えています）

ただ、仕事を覚えてチャキチャキ動けるようになってからはそのお姉さんとも仕事のレベルが近くなって来たのか「同士感」が出てとても仲良くなり、最終的に一緒に社食でご飯を食べるほどの仲になりました。
成長する姿勢や実力が認められないと行けない世界なのだなと厳しさを感じました。

・高級旅館の食器は重い！！
とにかく食器のひとつひとつが高級品で重厚感があり、お料理を乗せたお盆がとにかく重い！！しかし時間は待ってはくれず気合いで運びました。解決方法はそのうち慣れてくる、です。（スピード感も重要な職場なので、重いなんて言っていられない！という危機感もありました。）

・ゆっくり研修はしてくれない、ほとんどがOJT！
ゆっくり時間を取って教わるのは着付けだけ。
あとはお姉さんについて現場で学ぶ！分からない事は自分から聞く！という姿勢でくらいつかないと、自分が困るという状況でした。

特に客室も多く広い旅館だったので、迷路のような道順や客室の配置を覚える所から。（もちろん覚えるための時間は業務中にはとれませんしレクチャーもありません）
頭をフル回転させて必死で覚えました。

Ａ．1日の流れ
① 6:00頃　着物を着た状態で出勤（着物は住み込みの部屋で来ても旅館の着替え室で着てもOK）
②　　　　 宿泊者の朝食準備
③ 8:00頃　接客（朝食対応）
④10:00頃　チェックアウト対応
⑤11:00頃　お部屋の片づけ～業務終了
⑥12:00頃　社食でお昼→いったん住み込みの建物に帰宅（徒歩5分程度）
⑦14:00頃　着物を着た状態で出勤→朝礼＋チェックイン対応
⑧15:00頃　お客様をお部屋までご案内＋お抹茶出し
⑨17:00頃　夕食の準備
⑩18:00頃　接客（お夕飯対応）
⑪21:00頃　夕食会場の片付け～業務終了

詳細
②「出汁取り」という係りの時は最初に１Fの調理場にお出汁を取りに行き、朝食会場へ運ぶ。
朝食用のおかずを冷蔵庫から会場まで運ぶ。
各おかずやおしぼりが入ったバットを抱えて、1人分ずつセッティング。

③朝食会場の開場時間が来たら、お客様をお出迎え＋朝の挨拶＋室内草履を揃えて室内に誘導、ご飯をよそいご提供、おかわり対応

④お部屋からキャリーケース等の荷物を運びだし台車で玄関口まで運ぶ、お車に積むところまでお手伝いし、お見送り。

⑤お部屋に戻って、浴衣や帯の回収、お部屋の掃除、備品の補充など（清掃スタッフさんが別で入るので掃除はざっとでOK）

⑦フロントでのチェックインが完了したお客様の荷物を台車で預かり、お部屋へご案内。

⑧お部屋でご来館の口上を述べ、お茶菓子、抹茶、煎茶の提供。浴衣のサイズは目測でお出しする。お子様がいる場合はお子様用の浴衣や小さいサンダルも別途用意。

⑨夕食用のおかずを冷蔵庫から会場まで運ぶ。各おかずやおしぼりが入ったバットを抱えて、1人分ずつセッティング。

⑩夕食会場の開場時間が来たら、お客様をお出迎え＋室内草履を揃えて室内に誘導、バックヤードに戻りビールやウーロン茶の抜栓と乾杯待機→乾杯後はお料理だし

⑪食べ残しの処理、床掃除など

Ａ．　・シフト表の前でウロウロしていたら先輩の仲居のお姉さんをイライラさせてしまったらしく、肩パンされた

・お客様が手渡しでスタッフアンケートをくれたと思ったら、内容がラブレターだった

・夕食の最中に別館で開催されているイベントを観る予定だった！と言われ急遽移動！→見終わってから食事を再開した

・四天王に数えられているリーダー格の仲居のお姉さん（もちろん鬼のように仕事ができて、鬼のように厳しい方です）が、「私にはねぇ、将来の目標があるのよ。元気なクソババァになることよ！」と笑顔で言っていた事

・雨が降っている中で車まで濡れないようにとお客さんと相合傘で車までご一緒している風景を見た。（私の担当ではなかったので難を逃れましたが、今はハラスメントに当たると思います・・・）

Ａ．研修内容
・源氏名の書いた名札を貰う、バックヤードの案内（着替え室、社食、事務室など）、着付けレクチャー（担当のお姉さんとマンツーマンで約1.5時間、しっかり目に教えて貰いました）

・現場仕事はほぼOJT。最初はお姉さんの後をついて目で見て覚える。お姉さんも積極的に厳しくチャキチャキ教えてくれるのでそれも覚える。

・業務で困ったときはもうその場で他の仕事をしているお姉さんを忙しそうでも捕まえてに自分から聞く！（1人で任される仕事もあるので・・・）

・最初は団体のお客様の対応なので、周りに頼れるお姉さんがいっぱいいるので目で見て真似て動く事で覚える。

・たまたま自分たちの代は優秀な人が多かったので、特別に「個室持ち」の研修も受けました。
団体・大部屋ではなく、個室のお部屋でのお料理だしの研修です。

これは仲居のお姉さんの中でも4人のリーダーと呼ばれる「四天王」のような重鎮のお姉さんに、お料理だしの食器の準備から厨房への注文方法、心構え等まで細かく教えて貰いました。

Ａ．　・アルバイトの数は流動的でしたが常に15～20人が入れ替わり居なくなっては入ってくる、という印象でした。（続かない人は1週間も持たず辞めていくので・・・）

・社員さんの数は、1日の稼働数でフロント6～10名、仲居4～50名くらい？のイメージです。（客室数のわりにスタッフは少なめな印象でした）

・残ったたくましいアルバイトの人達とは絆が生まれます。
大変な仕事量があるからこそ、仕事の質にこだわる場所だからこそ、とても大変だった分、充実して楽しかったです。
・男女比は仲居は9.8割が女性。
フロントは半々くらい。

・外国籍の方は2,3人程度でしたが、日本人で英語対応ができる仲居さん・スタッフさんも数名いました。

Ａ．　・時給：1,600円　（仲居の経験なしでの応募での値段です。経験者や他の派遣元から来ている方とは確実な値段は聞いていませんが、若干上下がありそうな印象でした）

・シフト：朝、夕シフトがあり、朝＋夕の1日通しもありました。
半休、1日休もあり。
希望休の申請も可能でした。

・事務室に大きな貼り紙があり、そこに社員の仲居さんとアルバイトの仲居全員分のシフトが掲載されており、自分でそこから書き写すという形式でした。

・シフトはざっくり時間区分のみが記載されており、1週間前くらいに具体的な担当のお部屋が決まります。

・アルバイトで着ているスタッフは派遣元が違う場合でもほぼ上記のシフトで動いていました。

Ａ．びっしり入っていました。とにかく忙しかったです。

Ａ．服装は指定の一部式着物。夏生地と冬生地で柄も違い可愛かったです。
髪型は基本はお団子＋ネット、前髪は眉くらいの長さであればそのままの方も多かったです。

Ａ．社食が食べられる、住み込み0円、お風呂は住み込み用の建物に大浴場あり。（4～8人ほど利用可能なサイズ感）

Ａ．　高校生には向いていないと思います。
理由は、「初日からプロの接客レベルを求められるから」です。
仲居が初めてでも他に接客業の経験がないと正直スピード感についていけない職場だと思います。（経験者でもスピード感についていけない、業務量や覚える量が多くてついていけない、お姉さん達が厳しい、という理由で契約期間を全うできない方がいますので・・・）

Ａ．接客業の経験がある大学生で、ガッツがあって、キツイ言葉にいちいち傷付かないメンタル（厳しいコーチがいた部活動の経験があるなど）の持ち主で、自分から学ぶ姿勢がある方であれば向いていると思います。
「ちょっとリゾバ楽しんで稼ごう」位の方には向いていないと思います。（きっとツラいだけの経験になってしまうと思います）

　私のお世話になった所は人気で老舗の温泉施設だったので、とにかく毎日が忙しく、スピード感と正確性が求められる職場でした。
ホスピタリティもハイレベルなものを当たり前のように求められます。

その大変さに楽しさや達成感を見いだせる方、逆にお客様が来なくて暇な時間が耐えられない！短期でしっかり稼ぎたい！という方、仕事を通して仲間との絆を深めたい方、ハイレベルな接客や作法を身につけたい方にはとても向いている職場だと思います。

最初は自信がなくても、やる気と素直さがあれば、みるみる自分も成長していきますので、私自身、「あの時この温泉施設に決めて本当によかったな、とても貴重な経験ができたな」と今振り返ってもやって良かったと思います。

私事ですが・・実は子供のころによく行った旅館で、この詳細な仲居さんの裏側をとても新鮮な気持ちで楽しく読みました！
だってここの仲居さん達は完成されすぎてて人間味があまりないという記憶がありまして、にこやかで愛想よく礼儀正しく立ち居振る舞いも素敵だけど、裏で肩パンするようには見えないのですよね。

それに、これだけ忙しいスケジュールをこなしておられるようにも見えないというか。
全部ひっくるめて「プロだなぁ」と思いました。

お客さんから見ても接客スキルは他の旅館に負けることはないレベルなので、自分のスキルを高めたい方には私からもオススメです！